死を忘れて生きつつも
死について知りたい我々が
死ぬまでに絶対読みたい名著
『存在と時間』超入門
専門家が一生かけても汲み尽くせぬ難解な書を
驚くほどわかりやすく、正確に抽出ーー大澤真幸・解説
現存在とはなにか?
死ぬ存在ですね。必ず死ぬわけです、人間は。自分が死ぬ存在であるということを引き受けて、自分でよくわかっていて、それでなお生き続けているという、そういうことを言っているわけなんですね。(本文より)
自分はいつ死ぬかわからない。
けれども、自分が死ぬ前にいち早く先駆けること、これを先駆と言っています。(…)死から自由になるために、自分の死というものを了解するんです。(本文より)
私たちはふだん死を忘れて生きている
しかし死はいつやってくるかわからない。いつやってくるかわからない死を了解しようとして、苦しんでいるのが人間だ。本書は、唯野教授があえてユーモラスな語り口で、かつてなくわかりやすく解説する、驚きの超入門だ!
著者について
1934年大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業。『虚人たち』(泉鏡花文学賞)『夢の木坂分岐点』(谷崎潤一郎賞)『残像に口紅を』『文学部唯野教授』『モナドの領域』(毎日芸術賞)ほか、著作・受賞歴多数!
引用 終わり
感想
著者が、ハイデガー氏の著書『存在と時間』の解説を通して、
・ハイデガー氏の独特の単語
・ハイデガー氏の独特の概念
・ハイデガー氏の独特の人生の歴史
などについて、分かりやすく解説する話。
私は、ハイデガー氏の哲学について、著者による本書を読んで、読む前よりは少し詳しくなって良かった。
著者は、死にそうな病気になって入院している時、暇だから『存在と時間』を読んで、理解して、説明できるようになったので、頭が良いと思った。
あと、筒井康隆氏の著書に共通するように、本書にも氏のギャグが多くて面白かった。
私は、本書を読んで、私がハイデガー氏を理解できない理由は、ハイデガー氏の独特の単語、概念、生き方が、私の常識の外にあるからだと思った。