大量殺人の“ダークヒーロー"――なぜ若者は、銃乱射や自爆テロに走るのか? フランコ・ベラルディ(ビフォ) 氏(著), 杉村 昌昭氏 (翻訳) 著 読んだ

概要
引用https://www.amazon.co.jp/dp/4861826411?tag=kumakatsu-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4861826411&adid=03PYYPWVTTNC12NM3161&

商品の説明
内容紹介
続発する“銃乱射"や“自爆テロ“事件――。
なぜ彼らは“死"を求めるのか?
なぜ世界的に“急増"しているのか?

世界的に注目される先鋭的な思想家が
犯人と事件の綿密な分析によって
動機・心理・社会背景を解明し、
それが生命を犠牲にした“表現行為“であり、
現代資本主義の構造的な病理であることを明らかにした
世界で話題の書!
■米・仏・独・韓など7か国で刊行■

「誰でも一瞬だけは、世界的に有名になることができる」と、アンディ・ウォーホールは語った。
そして現在、自らと他者の生命を犠牲にして、死の直前の一瞬だけ有名になる表現行為が“銃乱射"や“自爆テロ"である。また彼らは、インターネットのサイトにメッセージや自撮り写真をアップし、ネット空間において永遠の生命を得ている。

「“生"とは作品である」と、ミッシェル・フーコーは述べた。
しかし、現代資本主義社会のなかで、貧困や屈辱、絶望に追いつめられた若者は、もはや“死"という手段でしか、“生という作品"を作り上げられない状態に陥っている。彼らにとって、“死"が唯一の生きる方法であり、“大量殺人"が唯一の社会への抵抗なのである……

■本書で取り上げられた“24件の事件"の一部■
【コロンバイン高校銃乱射事件】
米1999年。死者15名、犯人E・ハリス、D・クレボルド(ともに17才、高校生)
ヴァージニア工科大学銃乱射事件】
米2007年。死者33名、犯人チョ・スンヒ(23才、韓国人留学生)
【ヨケラ高校銃乱射事件】
フィンランド2007年。死者9名、犯人P-E・オーヴィネン(18才、高校生)
【サンディフック小学校銃乱射事件】
米2012年。死者28名、犯人アダム・ランザ(20才、大学生)
【パリ同時多発テロ事件】
仏2015年。死者130名以上、犯人A・アバウドら8名(ISメンバー)
……ほか全24事件

フランコ・ベラルディ「序文」より■
私が関心を持つのは、苦悩しながら犯罪者になる若者たちである。なぜなら彼らにとって、犯罪者になることが自分を世間に知らしめたいという精神病理的欲求を表現するやり方であり、それはまた自殺によって日常の地獄からの脱出を図るやり方でもあるからである。
したがって私が関心を持つのは、無実の人たちを大量に殺すことによって世界中の注視を惹きつけたあと自殺して果てた、チョ・スンヒヴァージニア工科大学銃乱射事件の実行者〕、エリック・ハリス〔コロンバイン高校銃乱射事件の実行者の一人〕、ディラン・クレボルド〔同事件のもう一人の実行者〕、ペッカ=エリック・オーヴィネン〔ヨケラ高校銃乱射事件の実行者〕らをはじめとした若者たちである。
私がスペクタクル的な殺戮と自殺について語るのは、これらの大量殺人者たちが、われわれの時代の主要な傾向を、極端な形で体現しているからである。私は、彼らをニヒリズムとスペクタクルの愚かさの時代――すなわち金融資本主義の時代──の“ダークヒーロー"と見ている。

内容(「BOOK」データベースより)
事件と犯人の綿密な分析によって、動機・心理・社会背景を解明し、“銃乱射”や“自爆テロ”が生命を犠牲にした“表現行為”であり、現代資本主義の構造的な病理であることを明らかにした世界で話題の書!

著者について
フランコ・ベラルディ(ビフォ) Franco“Bifo"Berardi
フランス、イタリア、アメリカを股にかけて活躍してきた、先鋭的な思想家であり、メディア・アクティヴィスト。「ビフォ」(“Bifo")の愛称で知られる。現代資本主義、ITと社会変容の関係についての独自の視点からの分析は、世界的に注目されている。
1949年、イタリア生まれ。1970年代、ネグリ等とともにイタリアのアウトノミア運動を中心的に推進した。1977年、政治的弾圧から逃れてパリへ脱出し、フェリックス・ガタリらと活動。1989年、ニューヨークに渡り、サイバーパンクの潮流に関わる。以降、インターネットなどの新メディアを使ったネットワークの構築に取り組み、メディア・アクティヴィストとしても活躍している。現在は、イタリア・ボローニャを拠点に、現代資本主義や電脳空間における諸現象についての研究を続け、多様な論説や著書を発表している。
邦訳書に、『NO FUTURE』(洛北出版)、『プレカリアートの詩』(河出書房新社)など。また、『資本の専制、奴隷の叛逆』(廣瀬純編著、航思社)にロングインタヴューが収録されている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ベラルディ(ビフォ),フランコ
フランス、イタリア、アメリカを股にかけて活躍してきた、先鋭的な思想家であり、メディア・アクティヴィスト。「ビフォ」(“Bifo”)の愛称で知られる。1949年、イタリア・ボローニャ生まれ。1970年代に、アントニオ・ネグリらとともにイタリアのアウトノミア運動を中心的に推進した一人で、雑誌『ア/トラヴェルソ(A/Traverso)』誌を創刊し、イタリア初の自由ラジオ(海賊放送)「ラジオ・アリーチェ(Radio Alice)」を開局した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

引用 終わり

だいたいの目次
第一章 ”俺はジョーカーだ” オーロラ銃乱射事件とホームズ
第二章 ”人間は過大評価されている” ヨケラ高校銃乱射事件とオーヴィネン
第三章 ”死ぬ直前、一瞬だけ勝者に” コロンバイン高校銃乱射事件とハリス&クレボルド
第四章 ”私はイエスのように死ぬ” ヴァージニア工科大学銃乱射事件とチョ・スンヒ
第五章 現代資本主義社会において”犯罪”とは?
第六章 ”ロボットのように殺人を” ノルウェー連続テロ事件とブレイヴィーク
第七章 ”民族のために生命を捧げた” マクベラの洞窟虐殺事件とゴールドシュテイン
第八章 ”誰も安全ではない” アメリカ同時多発テロ事件とアタ、ロンドン英兵惨殺事件とアデボラージョ&アデボワール、ワシントン海軍工兵銃撃事件とアレクシス
第九章 ”世界に広がる自殺の波” 横浜浮浪者襲撃殺人事件、引きこもり、フランステレコム社、イタリア・タラント市、モンサント社フォックスコン社・・・
第十章 最も自殺の多い国の希望 ソウルへの旅
第十一章 何もなせることがないときに、何をなすべきか?

感想
たくさんの大量殺人事件についての解説の文章を、集めた本。
私は、私が老衰死するまで、殺されず、殺さず、生きたい。