感想
伊達直人氏が、悪役レスラー養成機関・とらの穴で英才教育され、最強のレスラーのタイガーマスクとして世界中のリングで戦う話。
伊達直人氏は、タイガーマスクとして稼いだ金を、世界中のみなし子達の幸せのためにほぼ使うので、親切だ。しかも、氏は、自分がタイガーマスクであるということを隠して、まぬけなボンボンのフリをして、自分が死にそうになりながら稼いだ金を、子供達に惜しみなくあげるので、ますますすごい。私だったら、絶対にできないので、憧れる。
また、氏のプロレスの試合は、ストロングスタイルと反則技のどちらも最強なので、カッコ良い。
かつ、氏の独特の必殺技がいくつもでてくるので、目が離せない。
そして、本作の大きい魅力は、梶原一騎氏による原作の、当時のプロレス業界のスター選手と架空のタイガーマスクが、深く関わって物語を進めていくところだ。馬場選手や猪木選手が、タイガーマスクと共演しているのだ。私は嬉しくなる。私は梶原一騎氏のこのような読者を最高に喜ばせる演出が大好きだ。
私はとらの穴のミスターX氏の、徹底的な悪役ぶりが嫌いではない。
とらの穴のミスターX氏の生死は、本作では描かれなかかった。氏は、もちろん死ぬべきだが、死んではもったいないキャラクターだと思った。