Amazonレビュー
アルフレッド・ヒッチコック作品の流れをくむ正統派スリラーとの自負を感じさせる『ホワット・ライズ・ビニース』、主演はハリソン・フォードとミシェル・ファイファー。ノーマン・スペンサーと妻クレアは幸せを絵に描いたような夫婦だ。夫婦仲は円満、申し分のない家に住み、娘は大学生、夫婦生活も現役である。娘が家を出て大学の寮に入って以来、新しい隣人のことが気になって仕方がないクレアは、気難しい夫がノイローゼの妻を殺したため彼女の幽霊が必死でメッセージを伝えたがっているのだと思い込むようになる。そう、その通り、幽霊もメッセージも実在する。だが、それはまぎれもなくクレアとノーマンに関わることであり、生命を脅かす危険をもはらんでいた。不意にクレアは記憶の彼方に葬られていた1年前の交通事故を思い出す。事故に至った経緯を思い出せばすべてつじつまが合う。クレアはノーマンが何かを隠しているという疑念を深める。
ロバート・ゼメキス監督は前半にユーモラスで安っぽいスリル(不意に鳴り出す電話など)を散りばめ、クレアのジレンマを茶化しながら同時に見る者の緊張をこの上なく高めようとする狙いだ。だが、滑稽なスリルの間に思わず椅子から飛び上がってしまうような本物の恐怖が用意されている。ひとりでにお湯が満ちるバスタブもそのひとつ。ゼメキスの手でスペンサー夫妻の夫婦関係の溝をにおわせるエピソードが終始効果的に盛り込まれており、2人の関係が必ずしも円満とは言えないことが徐々に明らかになっていく。そう、これは『裏窓』や『断崖』に代表されるヒッチコック作品へのオマージュそのものである。エンタテイメントあふれる、心奪われる作品に見事に仕上がってはいるが。フォードはストイックな役柄を好演(ハマリ役である)、ダイアナ・スカーウィッドがクレアの親友として屈託のない役どころを演じ、華を添えているが、本作は一貫してミシェル・ファイファーの独壇場であり、作品の成功は彼女のさして細いとは言えない肩にかかっていたと言えるだろう。第3幕はサスペンスの本領発揮、ファイファーと恐怖のバスタブを中心にハラハラするシーンの連続である。露骨なホラー映画がもてはやされる時代にあって、『ホワット・ライズ・ビニース』は優れた娯楽サスペンスであり、あなたも思わず息を殺すことだろう。(Mark Englehart, Amazon.com)
内容(「Oricon」データベースより)
ある平穏な夫婦に襲いかかる恐怖、そして明らかになる夫の過去…。ハリソン・フォードとミシェル・ファイファー主演で贈る傑作サスペンス・スリラー。
引用 終わり
感想
午後のロードショーで見た。
ある夫婦が、超常現象に襲われる話。
直接的な恐怖の表現はないが、非直接的な恐怖の表現があり怖い。