ゴミ、都市そして死 (ドイツ現代戯曲選30 第25巻) 単行本 – 2006/12 ライナー・ヴェルナー ファスビンダー氏 (著), Rainer Werner Fassbinder 氏(原著), 渋谷 哲也氏 (翻訳) 見た

概要
アマゾンのレビューが分かりやすかったので引用

舞台という架空の空間では、どんな設定も許される。
登場人物は売春婦、そのヒモ、金持ちのユダヤ人(地上げ屋)、
その取り巻き(おべんちゃら使い)、警察署長、マリー=アントワネット、etc.
これらは作者が都市住民を代表するものとして選りすぐったもの。

「都会は冷たいんだ、そこで人が凍えるのもむべなるかな。なぜ奴らはこんな都会を作るんだろう。」
「肝心なのは無関心だ。たとえ子供たちが泣こうと、老人や弱者が苦悶の声をあげようと、
私は無関心を通さなければならないのだ。」
「いつもこんなゴミ溜めの中に埋まっていると、それを求めてしまうし、それが安心になるんだわ。」
「正しい度合いで誇張すれば必要な表現にもっとも近づくんだ。」
「真実は痛いもの、嘘だけが生き延びる力を貸してくれる。」
「根っこは全て昔のまま残っていて、それでこそ秩序は保たれる。後はただ待つだけでいい。…ファジズムは勝利するだろう。」

現実と虚構、真実と嘘、詭弁と本音、聖と濁、正義と不義…
これらが目まぐるしく入れ替わり、読者に絶えず自分の立ち位置が正しいかを問いかけてくる。

都市の成長とはすなわち人類の成熟であり、生活に安定をもたらすもの…
ならばなぜこんなに破壊がくり返されるのか。
現実世界では、安定は指の間をすべって手から離れ、我々は豊かになったのではなく、「慣らされている」にすぎない。
誰もが渇望感にあえぎ、誰もが幸福感だと思っているが実は絶望感に支配されている
−−そんな救いのない読後感が残った。

引用http://www.amazon.co.jp/gp/product/4846006115?adid=037NTJBWKVM1QJCTMSDQ&camp=243&creative=1615&creativeASIN=4846006115&linkCode=as1&tag=kumakatsu-22

感想
ヒモのフランツ氏が、ヒモの対象である女性にさらに金を残酷に要求するようすが最低ですごい。
あと、男のフランツ氏が、男達に暴行されて、フランツ氏がそれを喜びながら「ケツに拳骨をつっこんでくれ!」と、狂ったように頼むところがすごかった。